痛みなき者は 詩人足り得ない。
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先見
2014-07-09 Wed 01:16
賢者にはなれない。

憧れには手が届かない。

こうして僕は

いつも這い蹲ってばかりだ。


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吐く
2014-07-09 Wed 01:10
全ては痛みについてであり

全ては身体の機能についてである。

動きと言葉。

人間を司る情 観念 行動 等は

そうして紡がれていく。

信じていないと

朝はきっと来ない。



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陸橋
2014-06-17 Tue 19:49
言葉を聞いても 僕は意味が分からなかった。

と言うより、何の事か見当もつかずに、額の汗を拭うだけだった。

彼女の視線の先(先と言うにはそれはあまりにも近かったが)を追うと

工事用のガードレール状の柵が並んでいた。

並びにはしっかりした柵が設けてあるにも関わらず

その部分にだけ、さも急遽設けられた様にして

錆びたオレンジ色の簡易な柵が、黄色と黒が螺旋状に交わるロープで

繋ぎとめられていた。

柵の向こう側は階段を昇ってきた分、小高い丘の様になっており

眼下には何本かの線路が見える。

しばしの沈黙と、何度かの風の後に

そこが、線路を渡るべく設けられた陸橋の取り壊した跡なのだと気付いた。

「……なくなっている……」とは陸橋の事?と聞くとはなしに顔を見やると

彼女は顔を上げ、眼下の線路を辿る様に先を辿っていた。

しばらくすると、柵を跨ごうとするので、線路へ落ちない様に手を貸そうとしたが

彼女は気にも留めずに跨いで越えた。



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夜の音
2014-05-25 Sun 12:33
漆黒のときが 終わりに近づいていることを知らせるように

夜空を流れる雲が その色や形状を明確にしていく。

並ぶように歩いていた線路も 今は眼下に見えるようになり

踏み切りの警笛は 遠く微かに鳴る。

月が何度か雲に隠れた後 僕らの右手に山の斜面が現れ

夜風に揺られた木々のざわめきが 二人きりであることを 更に強調してゆく。

やや疲れたのか 君はその歩みを少し緩め

靴と道路の摩擦音が 木々のざわめきの中に混ざっていく。

やがて傾斜がやや緩やかになり 線路を離れるように 右へカーブを曲がると

先にトンネルが見えた。

出口の先に街灯がはっきり見え その先で道は 左へ大きく曲がっているのが確認できる。

トンネル内の電灯が 無音という音を表現しているかのように 規則的に並び

僕らの歩みを 待ちかねている。

トンネルの目の前まで来ると 君はトンネルの存在を無視するかの様に

脇にあった小道へと入った。

声を掛ける間もないほど あまりに自然に 歩を進めた為

僕は躊躇する感覚にもならず 君の後を従うように歩いていった。

山の斜面とは反対側にあるその道は トンネルの上へと登る

階段への道だった。

昨夜の雨か 湿度の高い木々に囲まれたステンレスの階段は

佇んでいた時間を刻むように 傷つき 錆びていた。

やや揺らぐ階段を 先程までの疲れが嘘のように 君はしっかりと踏みしめ 音を響かせてゆく。

相変わらず俯いたままの顔を 夜風が撫でてゆく。

肩より少し長い髪が 風に揺れるたびに 君の映える肌が強調される。

もう何段登ったろうか。

遠くに見えていた月が ますます大きく感じるようになると

まるで 空に近づいていく錯覚に 一瞬立ちくらみに似た眩暈を覚えた時

君のその白い頬が 歪んだ様に見えた。

「笑った?」

しかし君が口を開いたのは それからまた 数十段登った後

階段の頂上らしき所へ 辿り着いた時だった。

「…なくなってる…」



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赤い月
2014-05-09 Fri 05:26
歩いた足跡でさえ振り返れない様な 深く暗い夜空を

細かくちぎった様な雲が流れていく。

遠くで聞こえる波音に耳を傾けながら やや強い風を受け

誰の待つ事のない信号機の前で立ち止まる。

人ひとり見えない通りで まるで心通わせる様に

信号が青になるのを待って 歩き出す。

路地から街灯を頼りに やや大きめの通りに出ると

商店街の締め切られたシャッターが 風に煽られて音をたて始める。

枯葉が 散乱したチラシと混じって 風に流された先に駅が見える。

と同時に踏切が閉められる警笛が聞こえてきた。

「帰りたくない…」

警笛に背中を押された様に君は呟いた。

静かな景色に不釣合いな警笛にかき消されず でも時折強くなる風に流されてしまいそうな

固く そして足場のない声で。

僕はうろたえる心を隠す様に 聞こえないふりをしたまま 駅への路地を曲がった。

山肌に佇む小さな駅のホームを見やりながら 誰もいない改札を入ろうとすると

君は何かに誘われる様に そして僕の存在を無視するかの様に駆け出す。

ホームの階段を駆け上がり そして階上の小窓から 何かを探す様に見ている。

追いついた僕が息を切らしながら 君の肩に手を乗せ小窓を覗くと

「月に行きたい…」と君は呟いた。

見ると 山肌から伸びた高速道路が 海の脇を抜け 半島の先へと繋がっている。

その半島に微かに見える街明かりの真上に 赤い満月が見えた。

僕は全身の血が流れを速める様な感覚に 胃の中の物を全て吐き出してしまいそうになり

視線をたった今上がってきた階段へと移す。

振り返った君は 僕の手を握ると 階段を降りる様に誘った。

誘われるまま改札を出ると 遠くで聞こえていた波音は聞こえなくなっていたが

そんな事にも気付かないほど 僕の血は何かを怖れ 何かを求めているかの様だった。

連れられるままの僕と はっきりとした意思で歩く君に 風はもう止んでいた。


 

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